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夢想は続くよどこまでも [2005年4月]

夢想は続くよどこまでも

東京から帰った昨日は、リハビリのため巡回先を回っているうちにタイムアウト。爆睡しちゃいました。新聞やテレビなどでできるだけ情報収集していた心算でしたが、この2つのメディアにはフィルターやバイアスがかかっていて、ネットを繋げると隔世の感がありますね。

留守中にも関わらず、多くの方にご訪問頂いたようで、申し訳なくも非常に有難いことだと思いました。深く、深~く感謝申し上げます。

さて、本日よりG/Wに突入致しましたが、皆様いかがお過ごしでしょうか?有休を2日充当すれば10連休になる人も多いと思います。
お出かけ先でのトラブルに十分注意され、快適で素晴らしい休日をお過ごし下さい。かくいう私は、自由業的な立場ですので、むしろ連休中はおとなしくしています。豪遊するような身分でないことも大きな理由ですが。

ということで、幸か不幸か連休中はゆったりと更新できそうです。

さて、前置きが長くなりましたが、このエントリでは、先月夢想コラムで名を馳せた(?)若宮啓文氏にまた登場頂きたいと思います。

 

asahi.com:常任理事国入り 問われる「敗戦国」の作法 - コラム
常任理事国入り 問われる「敗戦国」の作法

韓国の盧武鉉(ノ・ムヒョン)大統領はドイツが大好きなようだ。2週間ほど前、ベルリンを訪問した折も「ドイツの過去の清算を尊敬しています」「良心と勇気、実践によって信頼を回復しました」と褒めちぎった。

日本とともに国連安保理の常任理事国入りを目指すドイツへの、手放しの賛美。それに引き換え……と日本に問いかけるかのようだった。

同じころ中国の温家宝(ウェン・チアパオ)首相は、かつての宿敵・インドを訪問。国境争いにけりをつけるよう首脳会談で合意し、共同声明にこううたった。

「中国は、国連と国際社会で積極的な役割を果たしたいというインドの希望を理解し、支持する」

やはり常任理事国に意欲を燃やすインドへの、これ見よがしのサービスである。中国国内では激しい反日デモ。温首相は記者会見で「アジアの人々の強い反応は、日本政府に深い反省を促すだろう」と言ってのけた。

インドはともかく、同じ敗戦国ドイツの身の処し方は、何かにつけて日本と比べられる。少し前、一緒に食事した韓国の外交官もそうだった。

1970年12月、ワルシャワを訪れてポーランドと国交正常化に及んだ西独のブラント首相は、ユダヤ人居住区跡を訪ねると、慰霊碑の前にひざまずき、頭(こうべ)を垂れた。「ドイツの謝罪」として世界に知られるその姿は、彼の目にも焼き付いているという。

ドイツ降伏から40周年の85年5月、ヒトラーの蛮行を正面から批判したワイツゼッカー大統領の演説も、次の一節とともに語り継がれている。

「私たちはみな過去を受け入れなければなりません……過去の前に目を閉じる者は、現在についても盲目になるのです」

こうして謝罪の姿を印象づけてきたドイツは、いま近隣国から指弾されることがない。日本もそうあってほしいと、かの外交官は言うのだった。

私もそう思う。ただし、ドイツがはっきり謝ってきたのは、ユダヤ民族の抹殺という人類史上まれな行為に対してである。しかも、すべてをナチスの罪として葬り去ることができた。日本とはいささか条件が異なる。

私はそんな見方も紹介して少し水を差したのだが、彼は「潔さは見習うべきだ」と言うばかりだった。

戦後60年の今年、国連も創立60年を迎えて改革機運が高まる。日本の常任理事国入りもそれ次第なのだが、二つの隣国から待ったがかかった。とりわけ、常任理事国として拒否権をもつ中国は無視できない。

国連への日本の貢献を考えれば、無理な希望とも思えないが、よく考えれば国連とはもともと日独伊と戦った戦勝国がつくったもの。常任理事国はその中核だけに、ドイツや日本が入るなら、それなりの作法が求められても仕方ない。あっさり日本に特権を渡すまいとライバル心に火がついて、歴史認識が格好の理由にされたのだろう。

いや、実は日本だって、歴代首相がずいぶん謝ってきた。とりわけ10年前の戦後50年に出された村山首相の談話は、その決定版だといえる。

「わが国は……植民地支配と侵略によって、多くの国々、とりわけアジア諸国の人々に対して多大の損害と苦痛を与えました。……痛切な反省の意を表し、心からのお詫(わ)びの気持ちを表明いたします」

なかなか潔い謝罪ではないか。

22日にバンドン会議50周年の首脳会議で演説した小泉首相はこの談話を引用し、反日ムードの抑えに努めた。

では、これまで村山談話が決定打にならなかったのはなぜなのか。

ブラント氏のような視覚への訴えがなかったからか。ワイツゼッカー氏ほどに心を打つフレーズがなかったからか。いや、致命的なのは、これを打ち消すような言動が国内に次々と現れ、その効果をかき消してしまったことだろう。

逆に、視覚を刺激したのは、紋付き袴(はかま)で靖国神社を参拝する小泉首相の姿である。神社には軍国主義や侵略に責任を負うA級戦犯処刑者たちもまつられているとあれば、小泉氏の意図はどうであれ、振りまかれるのはドイツと正反対の印象である。ナチスの断罪を徹底してきたドイツの作法がうまかったとすれば、日本のそれは余りに下手だった。

いま隣国のナショナリズムは日本よりも強烈だ。浮き上がる「反日」には確かに多くの国内矛盾も反映されている。「愛国無罪」の暴走がまかり通った中国の内情は、将来にわたって日本を悩ませていくに違いない。

しかし、だからこそ言うべきことは言いつつ、相手の気持ちをどうほぐすか、そこは日本の知恵と度量が問われているのではないか。

昨年秋、日本が常任理事国に手を挙げた際、あうんの呼吸で中国の支持をとりつける道もあったはずである。例えばこれを機に、アジアの人々も納得するような戦没者慰霊を考える、そんな潔さの演出によって……。

村山談話をなぞるのはいい。だが小泉さん、いまはそれを超える演出を考えるときだろう。


夢想や主観で論説を書く主幹だけあって、今回もなかなかの出来栄えです。
前回の「友情島」ほどのインパクトはないですが。

韓国のノムさんやらコキントウ氏などへ向ける言葉とは対照的に自国の首相に向ける言葉には何やら侮蔑の情さえ窺える高圧的な物言いは戦後の朝日のお家芸というか進歩的文化人といいながらまるで進歩が窺えない頑迷な姿勢のように思えます。

>謝罪の姿を印象づけてきたドイツは、いま近隣国から指弾されることがない。日本もそうあってほしいと、(韓国の)外交官は言う

>それなりの作法が求められても仕方ない。あっさり日本に特権を渡すまいとライバル心に火がついて、歴史認識が格好の理由にされたのだろう。

>いや、実は日本だって、歴代首相がずいぶん謝ってきた。とりわけ10年前の戦後50年に出された村山首相の談話は、その決定版

さて、韓国の外交官と親しく夕食をともにできることはとりあえず措くとして、彼の国の外交官のこの発言はどうでしょうか?謝罪の姿を印象付けたドイツとその周辺国を比較対象に挙げるのであれば、謝罪の仕方もさることながらそれを受け容れた周辺国の姿も考えるべきで、ドイツ周辺国が示したそれと同等の態度で中韓が臨んだのかという観点がすっぽり抜けていますね。
それに、謝罪することを望んでいるように言いますが、それを受け容れるつもりがないことはもうとっくに分かっていることなんですけどね。

国連常任理事国入りに関しては、いずれの国も近隣諸国から反発を受けており、日本及びその周辺の問題のみを挙げるのは問題ですし、歴史認識が格好の餌食になったのは、換言すればそれ以外にツッコミどころがないと言うことでもあります。

なおかつ、日本は何も村山談話のみならず多くの場で、多くの機会に謝罪していることについて、中韓は肯定するどころか因縁を吹っかけ続けていることに対する視点が、これまたスポーンと抜け落ちています。村山談話が決定版と朝日君が言うのを見ると、反日をメシの種にしている彼らにとってみれば、それが錦の御旗だということが良く分かりますね。

>村山談話が決定打にならなかったのはなぜなのか。

>致命的なのは、これを打ち消すような言動が国内に次々と現れ、その効果をかき消してしまったことだろう。

>視覚を刺激したのは、紋付き袴で靖国神社を参拝する小泉首相の姿である。

>神社には軍国主義や侵略に責任を負うA級戦犯処刑者たちもまつられているとあれば、小泉氏の意図はどうであれ、振りまかれるのはドイツと正反対の印象である。

まず、村山談話が決定打にならなかったのは、自信の胸に手を当てて聞いて見ることが先決でしょうね。
どんな謝罪をしても「足りない」っていう欲望の権化、強請り集りの常習犯にしてみれば、「言葉だけじゃ、おなかいっぱいにならない」ってだけでしょうに。

「致命的」になったのが「それを打ち消すような国内の言動」とありますが、国内の問題を「致命的」になるように報道したのは誰なのかも自社の縮小版を読み直してもらいたいところです。

それにしても謝罪だ謝罪だと喚いたかと思って謝罪すれば、謝り方が悪いだの、誠意がないだの、原理的にはキョウセイレンコーと同じですね。強制はなかったが強制性はあったって言う。こういうのは、言い掛かりにしか過ぎないことにそろそろ気づきませんかねぇ。
それとも気付かないままなくなるのかな、朝日新聞。ひょっとしたらある日、突然、極右新聞になったりして(笑)

こういうのは、

「反日極東国家及び反日左翼に見るムチウチ症との類似性についての考察」

というテーマで精神医学会で論文発表できそうな感じです。

さて、靖国に関して「軍国主義や侵略に責任を持つA級戦犯」ってのも、東京裁判が占領軍の政策のひとつと明らかになっている現在では単なる誤謬で、意図しているのであれば悪意すら感じられます。というか悪意を持って書いているのでしょうけど。
それこそ、朝日新聞の意図はどうあれ、振りまかれるのは真実とは正反対の印象を国内でもたれつつあることを自覚して欲しいものですね。

>浮き上がる「反日」には確かに多くの国内矛盾も反映されている。

>「愛国無罪」の暴走がまかり通った中国の内情は、将来にわたって日本を悩ませていくに違いない。

ここは、結構ホンネも含まれています。今回の暴動に関しては流石の朝日も擁護できないぐらい中国共産党の求心力の低下が無視できない状況にあることから「反日集団」として焦りを窺うことができます。

「毒を喰らわば皿まで」で数々の毒を喰らって耐性ができているはずの朝日でも致死量を超える毒になりつつある中国は食べることができないのかもしれません。しかし、反日が自己のアイデンティティでありメシの種でもあるから、何とか重箱の隅をつついてでも自己を正当化しなければならない、そんな焦燥感を垣間見ることができます。

将来に亘って中国が日本を悩ませるという部分がその最たるもので、中国の反日アクションに忙殺され、混乱させられる(そうなった欲しいという)のは自己保身から出た願望のようなものでしょう。

>あうんの呼吸で中国の支持をとりつける道もあったはずである。

>アジアの人々も納得するような戦没者慰霊を考える、そんな潔さの演出によって

そう考えて見ると、阿吽の呼吸で中国の支持を取り付けよというのは、旧態依然とした土下座外交を継続せよというメッセージであり、それはいつでも、いつまでも有効な外交カードであって欲しいということが含まれていると考えられます。

潔さの演出などと、また夢想癖が出てますが、それも分祀が困難であることを見越した上での意見であろうと思います。朝日や中韓にしてみれば、A級戦犯の合祀はメシの種ですから、そう簡単に分祀されて問題解決したらオマンマの食い上げですからね。

>言うべきことは言いつつ、相手の気持ちをどうほぐすか、そこは日本の知恵と度量が問われているのではないか。

>村山談話をなぞるのはいい。だが小泉さん、いまはそれを超える演出を考えるときだろう。

相手の気持ちを理解するも何も、論理的な根拠がない言い掛かりを前にして、「言うべきことを言う」事ができるはずがないことは分かった上での主張でしょう。要するに、中韓が言うことには一切抗うな、と。
それを具現化するために彼らが求めているのは「知恵」でも「度量」でもなく、「屈辱」と「妥協」でしょう。言葉は正確に使用してもらいたいものです。

村山談話が錦の御旗であり、AA会議で首相が引用したことは彼らにとっては憎々しいことなのでしょう。それが証拠に「なぞる」という言葉を用いたり、それを超えよと言って具体的な行動を要求したりしています。

因みに「なぞる」とは、

すでに作られている詩・文章などを、ほぼそのまま真似する。

という意味であり、彼らの怒りが伝わってきそうです。まるで「改正」を「改悪」と言うが如くです。

朝日新聞も中国も村山談話の踏襲が気に食わない、つまり得るところがないことに憤っているようです。そう考えれば、今回の首相の発言は、賛否はありますが、従来の謝罪とは違う意味が含まれていると考えても良さそうです。


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てっちん

昨日は「みどりの日」から「昭和の日」になるかもしれないことを記念してと単に予定がなかった orz ので靖国神社へ行ってきました。
ここ最近、国内外ともにキナ臭い状況なので英霊の皆様に平和祈願をしてこようかと思いましたので。
その後、遊就館(いつの間にか新しくなってる!)で日露戦争100年展を見て帰ってきました。
展示品を見ているとき学生らしき2人組がいて、ここ最近の報道の影響か歴史の勉強できたのかと思っていたら聞こえてきたのは片言の日本語アルよ、orz
今度は終戦の日付近にまた靖国にいってこようと思っています。
by てっちん (2005-04-30 13:36) 

美濃ちき

相変わらずの、築地をどりの所作が決まっています。
どうあっても、靖国参拝反対!の持論を展開したいんでしょうねぇ。。
在る筈の無い「紳士協定」を“常識”と吹聴する報道ステーションも、良い感じで焦げ付いてますしね。
中国反日暴動時のオロオロっぷりから脱却されている様で、朝日的には何よりです。大きく左に傾いてそのまま倒れておしまいなさい>朝日さん。
やはり国賊はこうあるべきですね。w

>今回の首相の発言は、賛否はありますが、従来の謝罪とは違う意味が含まれていると考えても良さそうです。

アジア各国(中・朝・韓を除く)の方々が、首相発言を苦渋の選択と受け取って頂いている事を願ってやみません。
早いとこ常任理事国になってアジア(中・朝・韓を除く)の牽引車にならねば、と思う次第です。
by 美濃ちき (2005-04-30 13:39) 

FD3S

てっちんさん、いらっしゃいませ!
コメントどうもありがとうございます。

>靖国神社へ行ってきました。
>英霊の皆様に平和祈願をしてこようかと思いましたので。
いいなぁ。私はまだ行ったことがないです。是非一度訪れてみたいと思っています。

>片言の日本語アルよ
中国の方でしょうか?洗脳からの覚醒の過程で訪れているのならば歓迎すべきですね。自国の抗日記念館のおどろおどろしさと比べて欲しいものです。

>今度は終戦の日付近にまた靖国にいってこようと思っています。
政治家の参拝がどうと言う前に国民の多くが当然のように参拝する風潮になればいいですね。
by FD3S (2005-04-30 14:05) 

FD3S

美濃ちきさん、いらっしゃいませ!
コメントどうもありがとうございます。

>どうあっても、靖国参拝反対!の持論を展開したいんでしょうねぇ。
社是かもしれませんね。持論も相当綻んでいますけど。

>在る筈の無い「紳士協定」を“常識”と吹聴する報道ステーションも、良い感じ
>で焦げ付いてますしね。
アレはひどいですね。「願望」が「常識」に変換される様子は、朝日新聞の姿勢を物語っていますね。

>中国反日暴動時のオロオロっぷりから脱却されている様で、朝日的には何
>よりです。大きく左に傾いてそのまま倒れておしまいなさい>朝日さん。
戦前・戦後とスタンスを真逆に変えた新聞社ですからねぇ、そのうち「私達は従来より終戦記念日に靖国参拝するべきだと主張してきた」なんて言い出すかもしれませんよ(笑)

>アジア各国(中・朝・韓を除く)の方々が、首相発言を苦渋の選択と受け取っ
>て頂いている事を願ってやみません。早いとこ常任理事国になってアジア
>(中・朝・韓を除く)の牽引車にならねば、と思う次第です。
かの戦争を自己正当化すれば国際的に批判を免れないでしょう。しかし、恩恵をもたらしてくれたとアジアの国々が発言してくれれば、それで十分だと思います。そういう理解を財産としてアジアの大国日本の存在がアピールされればいいなと思います。
by FD3S (2005-04-30 14:15) 

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