人の弁護をする前に
人の弁護をする前に
明けましておめでとうございます。
今年も宜しくお願い致します。本日実家から帰って参りました。久しぶりの九州は、聞きなれた放言に溢れ、癒されました。
今年は4日から仕事を始めます。あと一日はまったりしようと思います。
さて、今年の一発目。手ごろな長さの記事を探してこれにしました。自衛隊官舎で問題になった案件と似たようなものですが。
asahi.com: 早大でビラまき逮捕 建造物侵入容疑で - 教育
早大でビラまき逮捕 建造物侵入容疑で早稲田大のキャンパスでビラをまいていたアルバイトの男性(22)が建造物侵入の疑いで逮捕、勾留(こうりゅう)されていたことがわかった。東京地裁で28日、勾留理由開示の法廷が開かれ、坂田正史裁判官は「証拠を隠滅する可能性がある」などと勾留の理由を述べた。
警視庁の調べなどによると、男性は20日昼、東京都新宿区の文学部がある戸山キャンパスで、学生会館移転問題に絡むビラをまいた。学校側がキャンパスの外に出るように求めたが従わなかったため身柄確保(私人による逮捕)をし、警察に通報して引き渡した。調べに対し、男性は黙秘しているという。
男性の弁護人は「大学当局による政治的な弾圧だ。罪証隠滅のおそれも逃亡のおそれもない」と即時釈放を求めた。
早大などによると、今回のビラは、01年に学生会館が移転する際、繰り返し反対運動をしていた大学OBら3人を構内への立ち入り禁止とした処分の撤回などを求める内容だった。大学側は今月に入り、再三にわたり注意をしていたという。早大広報室は「学生証の提示を求めたが応じなかった。不審者として通報した」としている。
昨年のニュースでした。
>早稲田大のキャンパスでビラをまいていたアルバイトの男性(22)が建造物侵入の疑いで逮捕、勾留(こうりゅう)されていた
大学は公的な場所か私的な場所かと言われると、早稲田は私学とは言え、やや公共性を帯びるような気もしますが、であるが故に長いこと特定思想が蔓延る牙城となったようにも思えます。
まあ、公的私的を問わず、当該地区、地域の管理者の許可なくビラを撒くのは思想的なものに限らず排除されるべきでしょう。そう考えると、ただビラを撒いていただけなのに逮捕、勾留という感じがするこの一文もさりげなくかつ何気ないですが問題な気がします。
>「証拠を隠滅する可能性がある」
さて、逮捕された彼が何をどう隠滅するのかは分かりませんが即時釈放というのは難しいでしょうね。何故なら、
>調べに対し、男性は黙秘
しているのですから。建造物侵入の現行犯で私人逮捕された人間がその理由すら述べないのですから、勾留の延長は止むを得ない措置でしょうね。
そもそも、私人逮捕という段階に至るまでには、
>学校側がキャンパスの外に出るように求めたが従わなかったため身柄確保(私人による逮捕)をし、警察に通報して引き渡した。
>大学側は今月に入り、再三にわたり注意をしていたという。
上のように十分な注意(もしくは警告)が当該地域の管理者よりなされているのですから、当然の帰結と言えそうです。
>早大広報室は「学生証の提示を求めたが応じなかった。不審者として通報した
学生であれば、ある程度は学内での活動の制限もゆるいのでしょうが、それを担保しているのは学生であるという証である学生証でしょうから、これを提示しない以上は不審者認定されても仕方ないでしょうね。
大学ではそこまで深刻ではないかもしれませんが、世の中が「不審者」に対して警戒を強めている現状ですから、自己の証明ができないまま、不審な行動をしているというのは自業自得の感は否めません。世知辛いとかいうレベルのことではなく、そういう現状認識をすべきでしょうね。
>今回のビラは、01年に学生会館が移転する際、繰り返し反対運動をしていた大学OBら3人を構内への立ち入り禁止とした処分の撤回などを求める内容
かつての学び舎に気兼ねすることなく訪れたい、という気持ちは分からなくはありませんが、入構禁止処分が出るような行為をしたものを入れるのは、先の「不審者」の考えに基づけばおいそれと認めるわけにはいかないでしょう。大学側としても、大勢の学生の安全を任されている責任もあることですしね。
大学は広く開放された自由空間であることが望ましいとは思いますが、そこに集う権利者(学生)の権利を守るという観点から管理者の決定はまず尊重されるべきです。つまり、ビラを撒くという行為も当然管理者の許可なくしては行えないものですし、となれば、ビラの内容に関して不許可とする裁量もまた持ちえていると考えるのが妥当でしょう。
>男性の弁護人は「大学当局による政治的な弾圧だ。罪証隠滅のおそれも逃亡のおそれもない」と即時釈放
弁護士のこの物言いは、先の官舎の問題で騒いでいた人達のそれと同じです。政治的な弾圧と弁護士は言っていますが、まず学生であるかどうかも分からない人間に大学という制限された区域での活動を認める必要はどこにもありません。仮に学生であったとしても、再三の注意を無視した時点で学内の秩序(一般社会で言えば法規)を乱したのですから、大学の行為は非難されるべきものではないですし、それに対して被疑者の代理人に過ぎない人間がとやかく言えるべきことではないでしょう。
大学側は学生に代わって学内の秩序を維持する立場にありますから、それを乱すもの、ましてや学外のものに対してはある程度の権限を有するのが当然です。勿論、その大学側が権限を濫用しないとはいえませんが、今回の件は至極真っ当なものでしょう。
政治的弾圧、思想信条・・・・・。
確かに思想信条の自由を侵したり、政治的な弾圧を加えることは問題でしょう。それが事実なら。
ただ、先の件もこの件もある閉じられた区域におけるその他の人達のそれをまるで見ずに極めてミクロな視点で捉えていることに問題があるのではないでしょうか。マクロ的な観点では思想信条の自由は保障されるでしょうが、それを行動に移す場合には、制限がかかることもあるということがどうして理解できないのか、不思議ですね。
耐震強度を偽装した一級建築士という国家資格保持者が食べるために悪いと思いながら偽装したことが社会的な問題になるなら(勿論、居住者の生命、財産に関わる可能性があるからですが)、同じように国家資格を持つ弁護士が食う為に世間一般の常識や法律そして憲法解釈まで歪めているというのも、由々しき問題ではないでしょうか?
対応もスゴク良かったし、初めてでも全然不安になる事なかったもん♪
1回見てみる価値ありだね!
http://409.jp/~mycherry/a/
by グループ☆スワップ (2006-01-03 21:50)
確かに大学は治外法権というか、「大学自治」「学生自治」というものの存在が昔はありましたね。(大抵は外部権力への抵抗)・・・・なんというか。移転問題か・・・。内部生の大多数が今どうであるか?というのが重要という意見に賛成。そして弁護士なんかがやってくるという光景は「大学の独立した自治」に反すると思うです。ただ・・・・早稲田大学の運営側も最近変だとは思う今日この頃。
by あんとに庵 (2006-01-03 22:11)
あんとに庵さん、いらっしゃいませ!
コメントどうもありがとうございます。
おっしゃるように大学の運営サイドも無問題というわけではないでしょうね。
一昔前なら、こういうビラまきで私人逮捕なんてなかったかもしれません。少なくとも私の学生時代を思い返しても今は過剰反応するきらいはあるようにも思います。となると、この件を自衛隊官舎の問題と近似したのは、ちょっと見当違いのような気がしますが。
早稲田に関してはスーフリで叩かれたことがトラウマになって、羹に懲りて膾を吹くような感じになっているのかもしれませんね。
by FD3S (2006-01-04 23:34)
何かと早稲田大学に対し世論も五月蠅くなってますし
大学内の共産主義者を疎む教授連も居るようで
かような事になったのでしょうなあ。過去の成功に
溺れた「失敗例」と言えます > ビラ巻き男
筑紫哲也の「牙城」も凋落が激しいようで(w
by abusan (2006-01-05 08:16)
abusanさん、いらっしゃいませ!
コメントどうもありがとうございます。
早稲田と言えば、最近反社会的な事件もあり、社会の見る目も厳しいのかもしれませんね。また、過去の遺物的な共産主義に対抗するような形も起きているのかもしれません。
ま、大学に限らずサヨクの巣窟は存在することが厳しくなっているのでしょう。だって、論理的じゃあないですもんね。
by FD3S (2006-01-11 21:48)