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90秒の代償 [2005年5月]

90秒の代償

尼崎・列車脱線事故は、今日(2005/04/30)現在、107人もの死者を出す未曾有の事態となりました。

改めて、お亡くなりになられた方々のご冥福をお祈り申し上げます。

この事故は発生から5日経過し、少しずつ原因も分かり始めています。

ただ、この事故を巡って、何かすっきりしないことも報道されるようになって来ました。
それは、会社側=加害者、労組(従業員)+乗客=被害者という構図になっているような気がすることです。
事故の責任がJR西日本にあるのは間違いありません。しかし、それは経営陣のみならず、労組、従業員を含めての話です。
これについて、朝日と毎日の記事を引用してみます。

asahi.com: 遅れ回復の120キロ走行、運転士の常識 JR宝塚線 - 尼崎・列車脱線事故
遅れ回復の120キロ走行、運転士の常識

JR宝塚線 快速電車の脱線事故が起きたJR宝塚線では「直線でとばし、カーブ直前で急ブレーキをかける」という運転方法が、遅れを回復するための「裏技」として運転士の常識になっていた。背景には、会社からの厳しい「ペナルティー」を恐れる運転士の心理や、ライバルの私鉄との競争を勝ち抜くために、スピードアップと過密ダイヤとを追い求めてきたJR西日本の姿勢がある。28日に死亡が確認された高見隆二郎運転士(23)も、事故現場のカーブ直前まで時速100キロを超す高速運転をしていた。

「(脱線現場となった)曲線半径300メートルのカーブ直前の直線を120キロの制限速度ぎりぎりで走る。カーブ手前で急ブレーキをかければ、何秒かは(遅れを)回復できる」

28日、JR西日本労働組合中央本部(JR西労)が大阪市内で開いた記者会見で、現職の運転士でもある安田昌史書記長が解説した。遅れを出したときに少しでも回復するため、宝塚線の運転士の間で「だれでもやっている裏技なのだという。

通常の運行では、この直線で出す速度は100~110キロ程度。塚口駅を過ぎるあたりからブレーキをかけ始め、カーブから約170メートル手前の名神高速道路の高架付近で70キロになるよう調整する。

しかし、遅れを出したときには減速を遅らせ、高速のまま同駅付近を通過、カーブの直前で急ブレーキをかけて70キロまで落とし、カーブを回るのだという。

高見運転士は、事故前の伊丹駅で40メートルのオーバーランを起こし、1分半の遅れを生じさせていた。通過駅の塚口駅でも1分の遅れ。カーブ直前でも時速は100キロ超に達していた。

1分遅れのために「裏技」を使ったことのある運転士は「乗客に急ブレーキのショックを与えるとわかっていたが、ダイヤ回復のために使ってしまった。見習い期間に指導の運転士から教わることもある。高見運転士も当然、知っていたはずだ」という。

●ペナルティー 厳しい「教育」、自殺者も

運転士たちがここまで遅れを恐れるのには理由がある。ミスをした運転士に課される「日勤教育」だ。

日勤教育は、電車の遅れなど問題となった状況を振り返り、原因を考えるリポートを、電車区の区長や助役が勤務する部屋の一角で書かせるものだ。リポートだけでなく、草むしりや窓ふき、ペンキ塗りの作業まである。

耐えきれず、01年に自殺した男性運転士(当時44)もいる。その運転士が日勤教育を受けさせられた理由は、京都駅で約50秒、発車が遅れたというものだった。

父親(74)は日勤教育による「いじめ」が原因だったとして、JR西日本側に損害賠償を求める訴訟を起こした。2月の大阪地裁判決は会社側が自殺を予見することはできなかったとして請求を退けたものの、日勤教育が自殺の原因だったことを認めた。

判決の認定によると、日勤教育の間は、月額約10万円の乗務手当が支給されず、収入が減る。終了の判断は区長の裁量に委ねられるため、本人にはいつ終わるか分からないという。

男性は1日に7本ものリポートを書かされ、「給料をもらって勉強しているのでしょう」と助役に言われたという。4日目には休暇を取り、自宅で首をつった。

この判決を不服として、大阪高裁に控訴している父親は今回の事故について「大きく遅れた運転士には『やってしまった』という気持ちがあったのでは。おどおどした気持ちでなく、安全運転に専念できる職場環境が必要だ」と話した。

兵庫県弁護士会は昨年、「折り返し運転で停車中に車両を離れて雑談した」などとして戒告処分を受けた上、約1カ月間花壇の草むしりや就業規則の書き写しをさせられた運転士から人権救済の申し立てを受け、JR西日本神戸支社に人権侵害行為をしないよう勧告している。

●私鉄との競争 7分差が売り、過密なダイヤ

高見運転士が急いだとみられるもう一つの理由が、JR西日本の社員が「曲芸的」ともいう過密ダイヤだった。

事故を起こした快速電車が向かっていた同線の尼崎駅は、97年に開通した東西線(京橋―尼崎)や神戸線(東海道、山陽線)との乗り継ぎ駅。ラッシュ時は3~5分間隔で、宝塚―大阪間は快速で23分。一方、競合する阪急宝塚線は快速急行で30分かかる。この7分の差が利用客への売りだ。

しかも、尼崎駅で神戸、大阪、京都、京橋などの各駅に向かう電車に乗り換えることができる。神戸方面から走ってくる電車と、宝塚線の電車が並行して走ってきて同時にホームに入るという光景も珍しくない。

こうしたガラス細工のようなダイヤを維持するため、宝塚駅では乗客が電車を乗り降りする時間が約15秒しかないケースもある。運転士から「短すぎる」という声が上がっていた。尼崎駅でも同じホームに発着する神戸線や東西線の電車との乗り換え時間が30秒程度しかない時間帯がある。1本の電車に少しの遅れが出ると、接続する他線の列車にも少なからず影響が出るため、運転士のプレッシャーは大きい。

「ライバル社に輸送力で上回るためには、1秒の遅れも許さない雰囲気が社内にあった」と言う社員もいる。

引き続き毎日の記事を引用します。

MSN-Mainichi INTERACTIVE 今日の話題
尼崎脱線事故:過酷な労務管理の実態語る 運転士の同僚

兵庫県尼崎市のJR福知山線脱線事故で、高見隆二郎運転士(23)と同じ電車区に所属する運転士が毎日新聞の取材に応じた。運転士はJR西日本の過酷な労務管理の実態を明らかにした上で「高見運転士は利益優先主義の会社の犠牲者。今回の事故を機に、会社の体質を変えなければ」と語った。【脇田顕辞】

■事故原因
伊丹駅でオーバーランしたため電車が遅れ、焦っていたのだろう。ギリギリで組まれた今のダイヤでは、急いでもあまり時間は縮まらない「何とかしなければ」と躍起になるうちパニックに陥り、通常では考えられない高速でカーブに入ってしまい、あわてて非常ブレーキをかけたのではないか。

■日勤教育
高見運転士は昨年6月にもオーバーランをして日勤教育(再教育)を受けている。運転士の点呼場所から見える専用の机に見せしめのように毎日座らされ、暗い表情で反省文を書いていた。2度目のオーバーランで、運転士資格はく奪か、より長い日勤を恐れたのでは。処分を受けると給料もボーナスも下がり、昇進にも影響する。だから、オーバーした距離を短く申告するよう車掌に求めたのだろう。

■労務管理
97年のJR東西線開通で便数が増えて運転時間も延びたのに、逆に休憩時間は減り、集中力の維持は難しい。運転士への直接指導は、以前は管理職が運転席に入る形だったが、数年前から私服職員がこっそり客席側からチェックする形に変わった。過密ダイヤで遅れを出さないよう必死なのに「後ろから見られているかも」という不安もあり、精神的にきつい。

■脱線事故後
幹部は「とにかくオーバーランには注意しろ。新聞ざたになるから」と言うだけ。本当に反省していると思えない。乗務員がホームでお客さんに突き飛ばされたり、すれ違い際に「人殺し」と言われることもある。みんな下を向いて歩いている。

会社は、利益追求のための過密ダイヤを守るため、乗務員にプレッシャーをかけ続けてきた。安全のためには乗務員にゆとりを持たせるべきだ。高見運転士も会社の営利主義の犠牲者と思う。会社は信頼を取り戻すためにも、体質から変えなければならない。

まず、日勤教育について、両紙とも現場サイドから事情を聴取して記事にしています。

>日勤教育は、電車の遅れなど問題となった状況を振り返り、原因を考えるリポートを、
>電車区の区長や助役が勤務する部屋の一角で書かせるものだ。

>高見運転士は昨年6月にもオーバーランをして日勤教育(再教育)を受けている。

>運転士の点呼場所から見える専用の机に見せしめのように毎日座らされ、暗い表情で反省文を書いていた。

>2度目のオーバーランで、運転士資格はく奪か、より長い日勤を恐れたのでは。処分を受けると給料もボーナスも下がり、昇進にも影響する。だから、オーバーした距離を短く申告するよう車掌に求めたのだろう。

まずは、運転士の資質に関わる問題としてこの日勤教育を考えてみます。鉄道に限らず交通機関の運転に従事するものは、安全に対して高い意識と技術を要求されるのは当然のことです。
その職責を全うできない場合にペナルティや再訓練などの矯正があるのは当然のことです。

これら記事やテレビ報道では、運転士サイドからしか捉えられていないので定かではありませんが、日勤教育がヒヤリハット事例に基づいたKYK(危険予知訓練)の実施による適正の強化・矯正という側面よりも懲罰的な意味合いが強いのであれば、再発防止のために「日勤教育」は見直されるべきでしょう。

ただ、気になるのは、死亡した運転士に限らず記事中の運転士もトラブルを起こしたときに、乗客の安全よりも自己の待遇を気にかけていると思える点です。また記事でも減給や昇進に関わるために、ごまかそうとしたことを是認しているようにも窺えます。

サービスを提供する側として、自己の技量や意識に起因して顧客の満足、安全を損ねたことよりも、自己の待遇を重視していることこそ問題なのではないでしょうか。
もちろん、各人の安全意識や技量を超える勤務を強いたというのであれば、その責は経営者サイドにあることは言うまでもありませんが。

>耐えきれず、01年に自殺した男性運転士(当時44)もいる。
>日勤教育を受けさせられた理由は、京都駅で約50秒、発車が遅れたというものだった。

>日勤教育による「いじめ」が原因だったとして、JR西日本側に損害賠償を求める訴訟を起こした。

>日勤教育の間は、月額約10万円の乗務手当が支給されず、収入が減る。

>男性は1日に7本ものリポートを書かされ、「給料をもらって勉強しているのでしょう」と助役に言われたという。

>「大きく遅れた運転士には『やってしまった』という気持ちがあったのでは。おどおどした気持ちでなく、安全運転に専念できる職場環境が必要だ」

>「折り返し運転で停車中に車両を離れて雑談した」などとして戒告処分を受けた上、約1カ月間花壇の草むしりや就業規則の書き写しをさせられた運転士から人権救済の申し立て

朝日新聞は、この機に乗じて関連ある訴訟を引き合いに出していますが、 これはいただけません。この凄惨な事件の余勢をかっているとしか思えません。

収入が減ることやその他のペナルティは運転士の勤務実績に起因する問題であり、多くの人命を預かる身として少しのミスでも許されないという意識を常に持たねばならないでしょう。かかる仕事においては、精神的に大きなプレッシャーを克服することも適正のひとつという認識を持たねばならないのではないでしょうか?
もちろん、常軌を逸した労務状況がそこにあるのであれば事情は異なるでしょうが。

次に、労組の問題点をみてみたいと思います。

>「直線でとばし、カーブ直前で急ブレーキをかける」という運転方法が、遅れを回復するための「裏技」として運転士の常識になっていた。

>宝塚線の運転士の間で「だれでもやっている裏技

>運転士はJR西日本の過酷な労務管理の実態を明らかにした上で「高見運転士は利益優先主義の会社の犠牲者。今回の事故を機に、会社の体質を変えなければ」と語った

誰でもやっているウラ技という認識が少なくとも労組にもあったということが↑から分かります。つまり、労組は運転士が過酷な条件下に置かれていることも乗客の安全が脅かされていることも承知の上で具体的な改善について経営者サイドと折衝していなかったもしくはそれを是認していたということになります。

営利優先の経営者サイドの問題は当然問われるべきことですが、それを知りつつ、放置した労組側にも同等の責任があることは自明です。むしろ、現場の危機的状況を身近に感じておりながら、それを放置したというのは今回の事故が「未必の故意」による無差別殺人であるとすら言えるのではないでしょうか。

経営者サイドの事故後の遺族への対応にも不誠実な部分が多々ありますし、根源的な責任は免れるものではありません。しかし、実際に運転していた従業員及び労組の責任も併せて追求されるべきであり、自分達を恰も被害者の如く言い募るのは、おこがましくも卑劣であると言わざるを得ません。

>何とかしなければと躍起になるうちパニックに陥り、通常では考えられない高速でカーブに入ってしまい、あわてて非常ブレーキをかけたのではないか。

>1分遅れのために「裏技」を使ったことのある運転士は「乗客に急ブレーキのショックを与えるとわかっていたが、ダイヤ回復のために使ってしまった。

労務管理上の問題もさることながら、運転士の認識も決して高いとは言えませんね。何とかしなければと躍起になっても、乗客の安全確保を逸脱したりパニックになったり、乗客にショックを与える(乗客を危険に晒す)ことを知りつつダイヤを優先するというのが、日勤教育を回避すること-自信の生活や栄達を乗客の安全より優先すること-を目的にしていることが分かります。

利益を優先する会社を厳しく批判し、被害者如く振舞う労組や運転士達ですが、これらの記事を見る限りでは、彼らもまた、乗客の安全よりも自己の利を求めているところは同じであり、改めるべきことのひとつはこういう風潮ではないでしょうか。

最後に、

この事故もそうですが、日勤教育処分者の運転士達もその原因となっているのは、時間にすれば、数十秒の問題です。もちろん、単なる移動のみならず、そういうタイムセーヴィングをもサービスとして期待して対価を払っているのですから時間に対して敏感になるのは当然なのですが。

ただ、少しだけ考えてみてみたいなと思います。

「遅れている」という時間の概念と

↓ような悲しいことをしないだけの心の余裕を持つことについて。

>乗務員がホームでお客さんに突き飛ばされたり、すれ違い際に「人殺し」と言われることもある。

 


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てっちん

以前、私は社会人1年未満の若者に・・・とコメントさせていただきましたが、詳しくは運転士になって1年未満が正しいみたいです。
今回の人災については「大きく遅れた運転士には『やってしまった』という気持ちがあったのでは。おどおどした気持ちでなく、安全運転に専念できる職場環境が必要だ」とこれが全てではないかと思っていました。
ただ今回管理人様が問題提起しているように、労組の考え方が安全よりも保身であるならば、まずそれこそが追求されるべきことではないかと考えさせられました。
過密ダイヤを見直せば今後このようなことが起きないのか?
運転に携わる人物の考えが”失敗=人災”と捕らえずに”失敗=減給”程度の認識ではダイヤを見直した程度では根本の解決にはならないと思います。

気になる一文
”折り返し運転で停車中に車両を離れて雑談した」などとして戒告処分を受けた上、約1カ月間花壇の草むしりや就業規則の書き写しをさせられた運転士から人権救済の申し立て”
果たしてこれに関して”人権救済”とは何をもっていっているのか。軽々しく人権という言葉を使っている悪例を見た気がします。
by てっちん (2005-05-01 02:53) 

FD3S

てっちんさん、いらっしゃいませ!
コメントどうもありがとうございます。

>労組の考え方が安全よりも保身であるならば、まずそれこそが追求されるべ
>きことではないか
タイトなスケジュールの中で起きた事故だというのは、疑うべくもないのですが、テレビ報道が当該運転士の遺体発見以降、急に彼を真面目な努力家などと報じ始めた辺りから「?」と思い始めました。少なくとも加害者である彼の死と被害者である乗客の死を同列で扱っていることに違和感を感じました。

>過密ダイヤを見直せば今後このようなことが起きないのか?
>運転に携わる人物の考えが”失敗=人災”と捕らえずに”失敗=減給”程度
>の認識ではダイヤを見直した程度では根本の解決にはならないと思います。
まさに仰るとおりです。これが人災であるのは、安全の位置づけを会社も社員も低く見ていたことが原因だと思います。これでは、いかに最新の機材を導入してもどこかに人が介在する限り同じような悲劇が繰り返される可能性があることを示唆しているように思います。

>果たしてこれに関して”人権救済”とは何をもっていっているのか。軽々しく人権という言葉を使っている悪例を見た気がします。

この朝日の記事は非常に悪辣です。数多の犠牲者を出した今回の事件に向けられる関心に便乗して、似て非なるケースを混同させているのですから。
民間会社の労使問題は労組が行うべきで、人権救済とは明らかに次元の異なる問題であると思います。
by FD3S (2005-05-01 03:19) 

abusan

何れにしても運転手現場のモラルハザードを招き、更に
それが大惨事の「人災」を招いてしまったJR西日本の
あらゆる全ての責任は免れる事が出来ませんね。
安全設備の整備問題のみならず運転手現場の風潮に
もメスを入れる必要が有るでしょう。それは単に運転手
のプロ意識を問うだけでは済まず、モラルハザードを
起こさせない企業統治が必要となるでしょう。

経営陣は勿論の事、JR西日本の従業員も今回の事故
に対し猛批判されるのは当然で責任を持って安全対策
をしなければ成りません。さもなくば国交省の介入を
招くなどJR西日本の重大な危機を迎える事になるでしょう。
by abusan (2005-05-01 08:51) 

abusan

念の為

モラルハザードとは「倫理観の欠如」などを意味する言葉です。
ちなみに企業統治は「コーポレートガバナンス」とも表記されます。
by abusan (2005-05-01 08:55) 

くろぶー

このエントリーについては全面同意いたします。
がしかし、もうひとつ見落としている点があります。
お時間がありましたら下記のBLOGをお読みいただければと思います。
http://blog.goo.ne.jp/yoshidanekojiro/e/81f2e38ba4b5beb8a82be357f3806929

事故原因をJRの企業体質の責任にすることはたやすい。でもそれで終わってしまってはまた同じことを繰り返すのではないかと思います。
この事故は現在の日本社会の在り方に対する警告ではないかと思っています。あらゆる面からの検証が必要だと思います。
by くろぶー (2005-05-01 12:19) 

てる

こんにちは。TBさせていただきました。
類は友を呼ぶ、ではないけれど、幹部がアホなら社員も似たり寄ったりなんじゃないか、と思い始めています。
JR西日本の幹部が保身に躍起になっているのを見て腹が立ちましたが、社員も同じようですね。
ニュースで安田書記長が出るたび、「コイツもおかしい」と思ってました。たくさんの人が亡くなった事故をダシに日勤教育などをなくそうとしてるように見えたからです。
客の命より、自分達の人権が大事なようですね。(呆)

ただ、時間について、それほど敏感になるのもおかしい、と思います
人間のやっていることだし、数分程度の遅れなら許容範囲内かと。
許容範囲だからこそ、それを見越して1本なり2本なり早めの電車に乗るのが常識ってものではないのか、と。
くろぶーさんではないけれど、日本社会全体の問題かな、と思います。
by てる (2005-05-01 17:15) 

FD3S

abusanさん、こんばんは!
コメントどうもありがとうございます。

仰るとおりです。簡潔にまとめていただいて、ありがとうございます。
企業に問題があるときに、従業員と経営陣を分けて考えること自体がおかしなことで、例えば三菱自工のリコール隠しの問題で、従業員もまた被害者であるなどの論調が許容されないのと同じです。
ただ、最近ご指摘のモラルハザードに関しては航空会社などでも散見されるのを見ると、単に一企業の問題ではなく、日本社会全体の問題であると考えることも必要かと思います。もちろん企業活動には需給が絡みますので、需要サイドのみならず供給される側も安全に対する理解(妥当なコストアップなど)する必要はあるのかなと思います。
by FD3S (2005-05-01 21:05) 

FD3S

くろぶーさん、こんばんは!
コメントどうもありがとうございます。

ご紹介頂いたブログを拝見して参りました。
>事故原因をJRの企業体質の責任にすることはたやすい。でもそれで終わってしまってはまた同じことを繰り返すのではないかと思います。

実は私が感じた報道への違和感には、サービスの提供を受ける私達の安全への理解に関する点もありました。ただ、うまく表現できずにとりあえず従業員対会社経営陣という構図についてまとめてみました。しかし、仰るように不況の下サービスの過激化に伴う皺寄せがどこに行ったのか?を考えることこそ重要なことだと思います。
過当競争の中で、一定の収益を出すためには、リストラやノルマの強化による従業員の負荷は増大します。これは経営・管理をする側にも当然反映される負荷の増大です。
ユーザーの欲求に応えるために企業理念である安全、安定を疎かにすることは本末転倒ですが、構造的な見地に立てば、今回の犠牲者は歪な社会構造が産み出したものともいえます。ですから、

>この事故は現在の日本社会の在り方に対する警告ではないかと思っています。あらゆる面からの検証が必要だと思います。

というお考えこそ、マスコミなどが多角的に検証すべきことではないかと思います。時代劇的勧善懲悪では、根源的な解決は困難でしょうね。
今後、安全性向上のために、設備の増強などがあるでしょうが、それに伴うコストや安全意識については、ユーザーである私達も応分の負担と理解をするべきではないかと思いました。
by FD3S (2005-05-01 21:18) 

FD3S

てるさん、こんばんは!
コメント+T/B+nice!、フルコースで頂きどうもありがとうございます。

>たくさんの人が亡くなった事故をダシに日勤教育などをなくそうとしてるように見えたからです。客の命より、自分達の人権が大事なようですね。(呆)

これはホントにおかしいことですよね。被害者の心情とすれば、JR西日本という会社全体の問題であるのに、労組と従業員は恰も被害者のように振舞うのですから。労組所属の運転士が花を手向けに行っていましたが、彼の行いは美徳の如く報道され、社長は悪人の如く報道されている。
マスコミの歪んだ正義感を見るようで気分が悪くなりました。
多くの人間が今回の事故を教訓として考えねばならないのに、安物の時代劇よろしく、勧善懲悪の構図を作って、やり過ごそうとするマスコミはホントに害悪ですね。
労組の人間の主張は、国旗・国家を嫌がる教員と似たようなものだと思いました。そんなに問題だと言うのであれば、何故事故が起こってからドサクサに紛れて言うのか、と思ってしまいます。当事者意識が欠けているとしか言えません。
>数分程度の遅れなら許容範囲内かと。許容範囲だからこそ、それを見越して1本なり2本なり早めの電車に乗るのが常識ってものではないのか、と。

過密なダイヤも過剰なノルマも元を辿ればユーザーが求めたものとも言えます。また、過密なダイヤを構築しなければ対応できないほどの輸送能力が必要とされたのであれば、郊外の都市開発に問題がなかったのかも考慮しなければならないかもしれません。
と考えれば、決して一企業が改善したところで解決する問題ではなく、社会全体が身近な問題として考えるべきではないかと思いました。
JR西日本が安全に対する設備投資や過密ダイヤの緩和を行ったとき、ユーザーである私達も負担増や利便性の低下について理解しなければならないと思います。
by FD3S (2005-05-01 23:04) 

くろぶー

>というお考えこそ、マスコミなどが多角的に検証すべきことではないかと思います。時代劇的勧善懲悪では、根源的な解決は困難でしょうね。

どこもやってませんね~やらないでしょうね。たぶん。
だからマスコミは(ブツブツ

>労組の人間の主張は、国旗・国家を嫌がる教員と似たようなものだと思いました。そんなに問題だと言うのであれば、何故事故が起こってからドサクサに紛れて言うのか、と思ってしまいます。当事者意識が欠けているとしか言えません。

だってほら、ここの労組と言えば元は国労な訳ですから。
国労といえば××××ですもの(参考リンクhttp://www.akashic-record.com/raskol/n.html#04)

>決して一企業が改善したところで解決する問題ではなく、社会全体が身近な問題として考えるべきではないかと思いました。

その通りだと思います。尤もJRの責任がそれで軽くなるなんてことはありませんが。

事故当初のJR西日本の責任逃れにも見える対応は大きなマイナスポイントですよね。そのことがJR=悪というイメージをより決定づける大きな要員になってしまいましたね。この点は事故原因とともに猛省を促したいところですね。
by くろぶー (2005-05-02 11:56) 

FD3S

くろぶーさん、こんにちは、いらっしゃいませ!
コメントどうもありがとうございます。

マスコミどこもやってませんね。遺族にカメラを向けて、JR幹部が土下座する「絵」を撮りたいのでしょうが、遺族に対してそっとしておこうという配慮はまるでなさそうです。

JRの労組は民営化の時に、敵対する二派のうちのひとつを懐柔して他方を切り捨てたように記憶しています。とは言え、もとは活動家の巣窟ですからねぇ。
彼らに普通の常識を求めのは無理かもしれませんね。当事者意識の欠如はド左な活動家に往々にしてあることですから。

初動のお粗末さは、やはり拭えませんね。個々の対応にしてもやりようがあるだろうにと思います。感情面を差し引いて客観的に見ても、責任回避をしようとする経営陣も労組サイドも批判は免れないでしょう。抜本的な体質改善-経営サイドと労組サイドの意思の乖離の解消などを含む-をしっかりとしてもらいたいものです。
by FD3S (2005-05-02 13:02) 

hina

To FD3Sさま
 トラックバックさせて頂きました。
 今回の事故は、運転士・車掌・電車区・経営陣のそれぞれに、到底許されざる自己責任があったものと思っています。それぞれは相反するものではなく、相互独立するものですから、後になってから当事者同士で誰が悪いと言い合った所で、その責任に何等変わりはないのです。そういう意味では、車掌も労組も運転士と同罪ですし、経営陣も揃って106人の乗客に道義的・民事的・刑事的償いをすべきでしょう。
 但し、乗客としてこういう事をするのは頂けませんね。
>乗務員がホームでお客さんに突き飛ばされたり、すれ違い際に「人殺し」と言われることもある。
 近代法においては、一切の自力救済は認められていません。近代国家においては、刑罰は国家の専権です。業務上過失致死の懲役5年が軽すぎるというのであれば、それは立法不作為の問題でしょう。醜くも生き恥を晒した乗務員や経営者を死刑にすべきだという感情は理解出来ますし、私もこれは死刑が適当ではないかなぁと思いますが。
by hina (2005-05-02 13:56) 

FD3S

hinaさん、はじめまして、ようこそいらっしゃいませ!
コメント+T/B+nice!のフルコース、どうもありがとうございました。

>そういう意味では、車掌も労組も運転士と同罪ですし、経営陣も揃って106人の乗客に道義的・民事的・刑事的償いをすべきでしょう。
同感です。会社として責を問われる以上、それこそ全社一丸となって再発防止に取組み、その責任も等しく問われるべきだと思います。

>近代法においては、一切の自力救済は認められていません。業務上過失致死の懲役5年が軽すぎるというのであれば、それは立法不作為の問題でしょう。

そうですね、キチンとした究明のあと、然るべき処分が必要になります。
人命の軽重が量刑の軽重に比例するならば、この手の量刑は失われた人命に対して軽すぎるという気がします。

>醜くも生き恥を晒した乗務員や経営者を死刑にすべきだという感情は理解出来ますし、私もこれは死刑が適当ではないかなぁと思いますが。

死刑が適当かは別としても、事故原因が顕在化しており、予測可能なレベルであるにも関わらず故意に放置したのであれば、極刑という選択も可能な法整備を検討することも必要かもしれません。安全というものに対する意識を高めるための推進力となり、危険な操業の抑止力になるのであれば、従事者のみならず経営者に至るまで適用範囲を広げることも検討されても良いと思います。

となれば、徒に過剰で過激なサービスをすることもなくなるかもしれません。ただ、その過剰で過激なサービスがユーザーが求めたものだとすれば、社会全体の問題として考慮すべきであるとも思います。
by FD3S (2005-05-02 17:48) 

hina

To FD3Sさま
 レスありがとうございます。
 法益侵害と量刑とを比例させる考え方は、目的刑論の立場からは異論があるかも知れませんが、一般人が100人も殺せば死刑なんですから、それとのバランスは取るべきかも知れませんね。たとえ原因が過失だろうと、被害者にとっては「殺された」という事実に変わりはありませんからね。

>危険な操業の抑止力
 これを担保するには、経営者の刑事責任追及が必要不可欠です。現場管理者レベルまでで刑事責任追及を止めてしまうと、安全対策において現場管理者が従業員と経営者との板挟みになってしまいます。経営者が積極的に取り組まないまでも、せめて阻害要因となる事だけは絶対に避けるべきです。その為には、業務上重過失致死罪の三罰規定によって、半強制的に経営者を安全対策に向かせるしかないでしょう。
by hina (2005-05-02 22:42) 

FD3S

hinaさん、いらっしゃいませ!
コメントどうもありがとうございます。

比例的に考えるのはやっぱり行き過ぎですよね。コメントしてから、じっくり考えてたんですが、そう自分でも思いました。

経営者レベルまでの刑事責任追及は必要だと私も思います。
半強制的な側面を持っても安全を担保できるのであれば、是非とも検討して欲しいものです。遺族のやりきれない思いをそのまま量刑にするのは問題ですが、それぐらい厳しい覚悟を持って仕事に取り組むというのは、どの階層においても認識してもらいたいなと思います。
by FD3S (2005-05-02 23:59) 

びっくり

生まれてはじめての
トラックバックができたみたいです。
変になっていたら削除してくださいね。
by びっくり (2005-05-18 00:15) 

びっくり

生まれてはじめての
トラックバックができたみたいです。
変になっていたら削除してくださいね。
by びっくり (2005-05-18 00:15) 

FD3S

びっくりさん、はじめまして。ようこそ、拙ブログへ!
コメント+T/Bどうもありがとうございました。

>トラックバックができたみたいです。
ええ、無事に届いております。どうもありがとうございます。折り返しこちらからもT/Bさせて頂きます。
by FD3S (2005-05-18 03:13) 

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